「描く」と「切る」

Wrote by Roki summer 2000

◇悩み…その一

路鬼はいつも悩んでいます。

絵を作るときに悩みます。どんな絵にしたらいいんだろう。
例えば、私は風景画がつくれません。どう表現したらいいか、未だに分からないからです。

路鬼は自分の絵の特徴を「線」にあると思っています。歯切れのよい小気味良い勢いのある線。切ることはその線の特徴を出すことだ。
だから、クロッキーで描いた人物(たいていは裸のお姉ちゃん、うふふ)を切るときは、気持ち良く切れます。早描きした猫なんぞも(猫は寝てるとき以外じっとしてないから早く描くしかない)その手でいけます。

だけど、風景ってのは、路鬼の目にはそういう風に映らないんだよな。

奥行きを感じるというのは、物の大きさの遠近感です。この時、風景は連綿した線としてではなく、個々の物の重なりとしてとらえられる。物と物とが重なって在る。これってコラージュ的な作業ではないかえ?
コラージュも貼り絵もちぎり絵も嫌いじゃありません。作って楽しい。だけど、路鬼のこだわりの「線」はどうしたらいいんだ。

もうひとつ、思考方法と創作部分の違いがあります。
路鬼が切絵を作るとき、まず下絵を作り、ほとんど下絵通りに切っていきます。つまり、絵のディテールが最初から作られているってことです。これは、切ってしまうとやり直しがきかないからです。色も形も最初に決める、ここが創作。切るのは作業で、計画を立てるのに時間がかかります。これって建築なんかに似てる。

コラージュや貼り絵は、作りながら絵がだんだん出来上がっていく。作業が創作にかさなっている。だから楽しいんだよね。途中でインスピレーションが沢山入る。絵を描く感覚にとても近い。
見た目ではさほど違いがない「切り絵」と「貼り絵」、作るとその違いは白と黒ほどもある訳だ。

路鬼はコラージュで風景を作る踏ん切りが、いまいち出来ないでいるのです。

◇悩み…その二

さて、悩みは尽きません。

植物、草花、木々、雑草。路鬼の好きなもの。
夏の叢やら藪やらをつくりたいんだけど…。これをどう表現したらいいものか…
光と影が面白くて、その複雑さと透明感を作りたくて、作りたいものは分かっているんだけど、さてどうやればいいのか…

重なりあう、というのは風景と同じ。ここでの悩みは「影に溶け込む」「浮かび上がる」をどう処理したらいいのか、ということ。
端が溶け込み、重なり入り乱れる。うーん、できたら綺麗だ。

「切る」というのはエッジを鋭くすることです。そして端を明確にすることです。切りとってしまうこと。
だけど、端を明確にしたいものとしたくないものが連続してるとき、どこで「切る」ことを終わらせればいいの?
絵の具なら簡単なんだけどね。(くやしいよね)

悩んでます。
二千年の夏。